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旅行に興味ないコンプレックスを克服したい

旅行に興味ないコンプレックスを克服したい

旅行に興味がない。

そんなことがなぜかコンプレックスに感じてしまう。

ややこしいことに旅行に興味がないからと言って出かけることに興味がないわけではないのだ。なんなら出かけることは好きだ。どちらかといえばアウトドアなほうで休みの日なんて大抵どこかに出かけたりする。スケートボードをしたりピストバイクに乗ったりなんそんな活動が好きだ。

旅行に興味が持てない要因としていくつか考えられるが、そのなかに東京中を出かけるだけで事足りてしまうことが挙げられる。別にわざわざ遠くに行かなくても都内では毎日ように楽しそうなイベントがあって、ライブハウスにいけばいつでもライブが見れて、大きな美術館もたくさんあるし、好きなアーティストがしょっちゅうギャラリーで個展を開催していたりする。だから遠くに行くことに興味が持てないのかもしれない。

それこそ歩飲で近所を散歩するだけでも東京は楽しい。近所でもまだまだ行ったことのない場所、通ったことのない道があるし、普段あまり使わない駅で降りて歩飲なんてすると見るものすべてが新鮮に思える。ごめん、さすがに見るもの全てが新鮮は言いすぎた。それでも知らない街を歩くだけで十分楽しい。

遠出を一切しないかと言えばそういうわけではない。バンドの遠征であちこち行ったり、なんなら海外も行ったことがある。遠征ついでに観光するのは楽しい。

だけど旅行が目的の遠出がなぜかダメだ。遠征はあくまでライブをするのが目的でそのついでに観光をするからいいのであって、旅行それ自体を目的にするのはなんか違う。旅行の目的といってもそれぞれだろう。どこに行きたい。何みたい。あれを食べたい。などなど。

正直あまり観光地というものに興味がないし、行きたいところもなかったりする。美味しいものは食べたいがそれを目的に行こうとまで思わない。

でもだからって旅行をせずに旅行を否定するのもよくない。何事も実際に経験してみることは大事だ。ということで2023年の秋に箱根に一泊二日、一人で旅行することにした。

なぜ箱根か?

とりあえず東京の近場の観光地といって思い浮かんだのと、たぶんまだ行ったことのない場所だからだ。新宿から小田急ロマンスカーで2時間弱。箱根は程よく東京から離れた場所にある。

箱根登山鉄道に乗り強羅駅に着く。ここまで来ると都内では見かけない虫がたくさんいる。山だ、山の景色だ、山の空気だ、山の匂いだ。確実に都会から離れている。

強羅駅に着いたので宿泊予定の宿へ向かう。駅から無料シャトルバスが出ているらしいのでバス停を目指さす。待てども一向にバスは来ず。よくよく調べたらちょうど自分が着いた時間帯はシャトルバスが来ない時間だった。事前にあまり調べないからこういうことになる。だって面倒臭いんだもん。というわけでタクシーで宿へ向かう。

旅行に興味ないコンプレックスを克服したい

今回泊まる宿はエレベーターが修理中で使えないので大幅に安くなっている部屋にした。和洋折衷部屋。和室とシングルベッドが2台ある大きな部屋。一人では持て余すくらい広い部屋だった。

旅館に着いたらなんとエレベーターの修理が終わったらしく問題なく使えるとのこと。もちろん料金はそのまま。めちゃくちゃ得した気分だ。ちなみに部屋は5階だった。うん、これを毎回階段でいくとなるとちょっとつらかったなぁ。

旅行に興味ないコンプレックスを克服したい

バスでポーラ美術館へ行く。箱根にはいくつか美術館がある。さすがにどこへ行くか予め調べておいたのと、ポーラ美術館はよかったみたいな話を聞いたことがあるので向かうことにした。

ポーラ美術館では「シン・ジャパニーズ・ペインティング 革新の日本画 横山大観、杉山寧から現代の作家まで」という展示をやっていた。日本の伝統的な技法と西洋画が混ざり合った新しい表現技法「日本画」に的を絞った企画だ。例えるならスラッシュメタルとハードコアが混ざり合ったクロスオーバーみたいなものだ……うん、例えない方がわかりやすかった。忘れてくれ。

旅行に興味ないコンプレックスを克服したい

ポーラ美術館での展示を見終わったらすでに夕方だった。彫刻の森美術館も有名だが、さすがにハシゴする時間がなく強羅駅までバスで戻った。何も食べていない。せっかく箱根まで来たんだから何か美味しいものを食べたい。そう思い適当に歩いてみるものの夕方なのでランチ営業はおわり、夕方のオープン前という魔の時間に差し掛かってしまった。

それでも事前になんとなく調べておいたお店に向かったら営業していた。カツ丼のお店、田むら銀かつ亭。芸能人のサインがたくさんあった。どうやら有名なお店らしい。豆腐カツ丼煮定食を食べる。豆腐の中にひき肉が入っている他ではあまり見かけないカツだ。美味しかったが普通にロースとかが食べたかったなぁとちょっと後悔した。ほんのちょっとだけ。

酒とつまみを買い宿に戻る。温泉に入る。温泉は好きだ。好きだが私はとにかく風呂に入る時間が短い。長風呂できない。ちょっと湯に浸かるとすぐ飽きてしまう。よく風呂に入る時間が短い人のことをカラスの行水なんていうがまさしくそれ。ちょっと浸かったらすぐ出てしまう。なんなら石で水切りするみたいに風呂の水面でバウンドして出てしまっている……うそ、流石に話を盛りすぎた。ちゃんと湯船には浸かっている。サウナもあったのでついでに入る。

風呂を出て部屋で酒を飲みながらテレビを見る。私の部屋にはテレビがない。東京に来てからテレビを持ってない。テレビっ子だったのに。テレビすごい好きだったのにテレビなしで生活してみたら意外と問題なかったので今に至る。なので久しぶりのテレビ。すごい面白い。酒を飲み一通りテレビを見たので寝ることにした。

せっかくだからベッドではなく布団にした。押入れに入ってた布団を取り出して自分で敷く。ここは布団は旅館の人が敷いてくれないようだ。

そして就寝。

翌日は朝食バイキング。なんて日だ……ってそのばいきんぐじゃなかった。朝食を食べコーヒーを飲み身支度をしてチェックアウト。箱根湯本へ向かう。

旅行に興味ないコンプレックスを克服したい

なんかあるかなと思って辺りを散策。お店がいくつもあった。昼飯を食べて帰りたかったが時間がなく喫茶店を梯子した。ひとつはモンブランのおいしいカフェ。二つ目は昔からやっているであろう純喫茶。ハンバーグがおいしそうだった。ランチ頼みたかったが時間がないのでコーヒーを。サイフォン式だった。

コーヒーを飲み電車に乗り新宿へ向かう。こうして箱根一人旅行は終わるのであった。

***

旅行には非日常感があるというが、いつしか旅行に非日常を感じなくなった。どこまでも日常な感じがした。それは決して悪いことではないのかもしれないけど、刺激をあまり感じない。

こんなところでなにやっているんだろうと、そんな気分になってしまう。それに山は見飽きた。地元にもどればすごそばに山がありあまり非日常感もかんじなければ自然っていいなぁなんてとても思なかった。

東京に住んで10年程経つがこれがもし20年や30年住んでいたら、やっぱり自然はいいなぁと思えたのかもしれない。今はまだ自然より都会の蠱惑的な喧騒を求めている。

旅行に興味ないコンプレックスを克服したい

というわけで一人旅行をしてみた結果、予想通りの楽しさだった。つまらなくはないが、ここまで時間とお金をかけるんなら他にも楽しいことあるよなぁってのが率直な感想。っていうかサウナもテレビも美術館も全部東京にあるじゃん。

これからも旅行に興味がない人として過ごそうと思った。

やっぱり旅行に興味がない。