矜持・偏愛・向上・憎悪の4つのテーマから肉薄していくインタビューDig into your Heavy life。今回はスラッジコアバンド、AbiuroほかDOOM FUJIYAMAを運営するIkuta氏。後編をどうぞ。
前編はこちら。

Dig into your Heavy life Vol.2 - Ikuta(Abiuro) - 前編
目次
やっぱり最終的には無風な、明鏡止水にたどり着きたいとかっていう。
外山鉛(以下「鉛」)
じゃ次の質問します。矜持について。なんかこだわりとかプライドってありますか?
Masaki Ikuta(以下「Ikuta」)
こだわり持たないようにしようと思ってます。
鉛
それはなんでまた?
Ikuta
なんか生きづらくなった笑。
鉛
まあ、確かに。
Ikuta
単純にそれだけですね。
鉛
執着ですからね、こだわりなんてものは。
Ikuta
そうですね。捨てたいんですよ、そういうものを。
鉛
昔は多かったの?
Ikuta
多かったんじゃないですかね。あんまりやり方を変えれないタイプっていうか、なんか悪い頑固じいさんみたいなのはあるなと思ってて、ちょっと嫌だなって。気持ち悪くて。なんか逆に柔軟になりたい。
鉛
えーそうか。こだわりが何もないのか。
Ikuta
なくそうとしてる。
鉛
そうなんだ。プライドみたいなのは?
Ikuta
そういうのも捨てようとしてますね。
鉛
もうこれは絶対譲れないみたいなものもない?
Ikuta
むしろ譲ろうと笑。プライドがやっぱ高いので。ちょっと嫌じゃないですか、プライド高くて頑固なやつ。
鉛
まあ世間的にはあまりいいとはされないかもしれない。今どれぐらい捨てられてんですか?
Ikuta
どれぐらいだろう……でもまだまだだなって思いますね。やっぱり最終的には無風な、明鏡止水にたどり着きたいとかっていう。
鉛
仏教徒みたいな?
Ikuta
そうですね。
鉛
現段階ではなんかしら執着とかはしているわけ?
Ikuta
しちゃってるのかな。いや、絶対あるんですよね。なんかやり方が変えれないとか、これはこういうものでしょうって思ってる。自分のその偏見とか、価値観とか、それもありますね。
鉛
なるほどね。
Ikuta
これは常識でしょ、みたいなのあると思うんですよ。
鉛
無意識にしてしまっているけど、それをやめていきたいと。
Ikuta
そうですね。視野を広げたいじゃないですけど。
モノを手にして幸せだったかどうかでいくと、あんまり変化がなくて……
鉛
じゃあ、次の質問いきますか。偏愛なので……超好きなものとかありますか?
Ikuta
超好き!?
鉛
自分からのリクエストとしてはスニーカーの話を聞きたい。
Ikuta
じゃあスニーカーから話すと確かに好きですね。結構エアジョーダンとか集めてたっすけど。今は集めてなくて。今はそれこそこだわりがなくて、スニーカーとかに対しても。
鉛
なるほど。
Ikuta
あんまりその、モノを手にして幸せだったかどうかでいくと、あんまり変化がなくて……要するに飽きただけなんです。
鉛
飽きちゃったんですね。
Ikuta
モノとかじゃないんじゃないかなって。最近はそんな(情報を)追ってないっす。
鉛
なるほど。
Ikuta
もちろん好きですけどね。お店とかたまに入るとかっこいいなとか、着こなしとか見ておしゃべりしてるといいなぁって思うんですけど。
鉛
スニーカーにハマるきっかけとかあったの?
Ikuta
最初はなんすかね……でも音楽ですかね、ヒップホップ。僕バンドばっかりったんですけど、クラブシーンの人たちのライブも観に行くようになった時期があって。やっぱりおしゃれじゃないすか。で、ストリート系のファッションだとか、今何が来てるかみたいなのが、自分的にもいろんなところでサジェストされるようになって、自分もエアジョーダン履きたいなぁとか思うようになって。ハマる入り口となったのはそんな感じですかね。
鉛
そういうきっかけなんだ。いわゆるスニーカーブーム世代じゃないもんね。
Ikuta
でも2016年からコロナ前ぐらいまでちょっと流行ってたっていうか、その頃にハマってたんで。
鉛
知らなかった。
Ikuta
転売とかもしやすい時期で、加熱感があるような空気はあったのかなぁと。まあ昔ほどじゃないって聞きますけどね。
鉛
Air Max狩りとかあった世代でしょ?スニーカーといえばあの世代の人たちのイメージだったから。
Ikuta
あれを3分の1ぐらいの規模感の盛り上がりかた。でも盛り上がってはいた。
鉛
全然知らなかった。あの時代はAir Maxのエアのところにキリで穴開けられたりとかね。普通に履いていると先輩にボコられたりね。
Ikuta
当時はAir Max 24万のプレ値つくとかあったみたいですからね。
鉛
えーすごい。
Ikuta
自分の中で信念があってそこに沼ってたっていうよりは、なんか単純に多分プロモーションを受けて憧れがあってみたいな感じですかね。
鉛
なるほど。他に偏愛してるものはない?
Ikuta
でもやっぱ逆にスラッジコアめっちゃ好きですね。Abiuro始めてからみんなに言われて、(Abiuroのジャンルは)スラッジなんだこれは、勉強しなきゃと思って聴いてて確かにめっちゃかっこいいなって。それですごい好きなバンドめっちゃ増えたっすね。
鉛
最近のお気に入りのスラッジバンドは?
Ikuta
フランスのFANGEってバンドがいて。ちょっとインダストリアルノイズ感があるんですけど。ちょっとパワエレみたいなのにインスパイアされた構成の楽曲なんですけど、バンドセットのアグレッシブさ、生々しさみたいなのがすごい良くて。
鉛
それはどういうきっかけで知るの?ネット?
Ikuta
やっぱりそうっすね。
鉛
ネットでどうやって調べるの?Bandcampをdigるとか?
Ikuta
昔からやってるのはローカルショーみたいなのに有名なバンドが出てたりするじゃないですか。ローカルショーの1番ロゴがちっちゃいバンドから調べる。そうするとなんだこいつら!?みたいなのがいたりしておもろいっすね。
鉛
すごいなそれ笑。そんなことやってたんだ。
Ikuta
やってたっすね。今はそこまでじゃないですけど。今はね、なんかApple musicとかでも関連アーティストに出てきたりとか、誰かがまとめてくれてたりするの全然あるじゃないですか。
鉛
まあ確かに自分もスペシャルサンクスに載ってるバンドを片っ端から調べたりしてたなぁ。なるほど。FANGEは昔から好きだったの?
Ikuta
いやでも結構最近、コロナちょっと前ぐらいに知ってとかだと思いますね。
鉛
なるほど、まさかの今スラッジが好きという。
Ikuta
ずっとぼーっと聴けるっていうか……(マイブームの)波来るじゃないですか?
鉛
うんうん。
Ikuta
スラッジだけはなんか一定なんですよ。めちゃくちゃバチーン!みたいなのもないけど、ずっと(波が)来てる。
鉛
フィジカルとかも持ってんの?
Ikuta
フィジカルはもう今再生できるものが手元になくて、正直ないですね。ちょっとよくないなと思うんですけど。
鉛
じゃあもうサブスクとかで聴いてる?
Ikuta
そうですね。確かに言われてみたら何にも(バンドを)サポートしてない。
……別にないですね。これといってマジでないんですよ。
鉛
じゃあ次の質問行きますか。向上ですね、QOLが上がるようなものありますか?
Ikuta
……別にないですね。これといってマジでないんですよ。昔何もない部屋に住んでて、何もなかったんすよほんとに。
鉛
ミニマリストだ笑
Ikuta
なんか服の棚とかもなかったんで、段ボールに入れてて。段ボールしかない部屋に住んでたことがあって。家具も家電もないっすね。なんか別にめっちゃ貧乏してたとかじゃなくて、ほんと自分の生活力がなさすぎてそうなっちゃってたんです。でもギリ大丈夫だったんですよ。
鉛
大丈夫だったの笑?
Ikuta
でも今はさすがに2口コンロあったり、電子レンジがあったり、冷蔵庫あったり一通り揃ってて洗濯機とかも。当時コインランドリー通ってたんで、その時間結構無駄じゃないですか、仕事終わって帰ってきてコインラドリー行って。でも今は洗濯機あるんでそういう面倒なこともないし、風呂とトイレ別だし。ユニットバス好きなんですけどね。なんか今はもうなにも言うことないぐらい満足ですね。
鉛
なるほど。元が低かったから。普通かもしれないけど、今は高いと。家事とかできる人なの?
Ikuta
自炊とか家事めっちゃやります。
鉛
生活力がないわけではない?
Ikuta
なかったんですよ。で、ないとどうなるかがわかったじゃないですか。
鉛
そっか、モノのない部屋に住んでいたから。
Ikuta
で、無理やりやるようにって、そこを経て今みたいな。あんまり必要以上にモノがない。
好きなんですけどねロフトとかハンズとか、あと家電屋さんとかも。結構テンション上がるなって。リサイクルショップもあったら入るし、「え、これ2万なんだ!」みたいになる方だとは思うんですけど実際何にも買ってないっすね。
鉛
なるほどな。生活を向上するというより、ベースラインが上がったらそれで十分みたいな。
Ikuta
確かにそういうことっすよね笑。
鉛
ベースラインが上がっただけだねそれ笑
Ikuta
引越しの時とかって結構モノ捨てるじゃないですか。モノって捨てるよなって思って。それを思うと……
鉛
買うのがめんどいっていうか、捨てるのがめんどいから。
Ikuta
そうですね、捨てるのがめんどいから買うのもめんどいです。
鉛
その気持ちはわかる。
Ikuta
なんか荷物が少ない方がいいじゃないですか?そうなるとどんどん買い物しなくなっちゃうんです。
働くの嫌いだし、モノ買うのも嫌いだし……人と約束するのも嫌いなんです。
鉛
なるほど。最後に、なんか嫌いなものありますか。人とか社会とかジャンルとか食べ物とか。
Ikuta
この前、好き嫌いめっちゃはっきりしてるって言われました。
鉛
へえ、なんで?
Ikuta
なんでですかね。すぐ人と揉めるからですかね。全然そんなつもりないですけど。自分はオープンなんですけど。
鉛
思ったことを人に言っちゃうみたいな?
Ikuta
あんまり言ってない方だと思ってたんですけど。公言もしないつもりだったんですけど、出てるっぽいですね。
鉛
自覚がない?
Ikuta
たち悪いじゃないですか笑。なんか嫌いなモノばっかりじゃないですか、それでいうと。
鉛
まあ、確かに。
Ikuta
働くの嫌いだし、モノ買うのも嫌いだし……人と約束するのも嫌いなんです。予定が埋まりたくないんですよ。
鉛
へえー。
Ikuta
予定飛ぶとちょっと嬉しいみたいな人いるじゃないですか。俺だなと思って笑。なんか全然好きじゃないっす、そういういろんなことが笑。
鉛
いろんなことが笑。予定も嫌なんだ。休みの日とか予定なくてもなんとも思わない?むしろ嬉しい?
Ikuta
何も思わないし、別になきゃいけないとは思わないし。なんかやらされるみたいなのが嫌なんでしょうね。人の言うこと聞くの根本的ににめっちゃ嫌みたいなのがあって。なんかさっきのエアジョーダンの話とかじゃないですけど。結局なんかそれもブランディングとかプロモーションの努力の結果、Nikeがその立ち位置をゲットした話だと思うんですよ。そう考えたらなんか嫌だなあって。自分で選んでるようで選んでないなって。なんか嫌悪感抱いちゃって。だから、予定がなきゃいけないみたいな、そう思わされてるだけなんじゃないかみたいな笑。そんな勘繰ってないですけどなんかそういうところがある。
鉛
なるほどね。
Ikuta
もちろん休みの日は時間を有意義に使いたいなとは思うんですけど。
鉛
前もって予定を決めたりとかもあんまりしない?
Ikuta
ライブめっちゃ入ってますからね。ありがたいことになんですけど。なんかバンドのことになるとちょっと腰が上がるというか。
鉛
なるほどね。
Ikuta
なんか予定ない気もしてないし。なきゃないで平気な人だし。
鉛
バンドの予定で埋まっちゃうというか。埋まらなかったらそれはそれでみたいな。
Ikuta
それはそれで。じゃあ、前から観たかったあの映画観るかとか、気になってたあそこ行くかとか思う感じじゃないですかね。
鉛
そこに行こうって前もって思ったりはしない?
Ikuta
いや、思わないっすね。なんか覚えるのも嫌いなんで、基本的に。googleカレンダーに予定全部入れてみたいなのがもう嫌い。
鉛
はいはいはい。
Ikuta
本当にちょっとも頑張りたくないんですよ、俺笑。
鉛
なるほど。
Ikuta
だから頭の片隅に(予定を)持っておくとか絶対嫌ですね。
鉛
じゃあ予定入れたくないよね。
Ikuta
入れたくないですね。
鉛
歯医者とかも?
Ikuta
だから予約はしないですよ。当日、痛い!で電話かけて。
鉛
でも1回で終わんないじゃん歯医者って。次予約いつにしますかって言われるでしょ?
Ikuta
なんかでも歯のことで悩んだことなくて。やっぱ痛いなって時行って「虫歯なりかけだったんで削っときました。今後どうしますか?一応検診とかは来た方がいいと思いますけど」みたいなこと言われて、じゃあちょっと調整してまた連絡していいですかって言って……
鉛
行かない。
Ikuta
そう、行かないっていう……そうか、そんなこと言ってられるのも、その健康という土台の上にいるから出来てるっていうことですよね。
鉛
まあまあ、そうですね。健康だから。健康は大事ですね。
Ikuta
俺が健康なのは俺だけの要因じゃないってことですよね。
鉛
うん笑。とりあえず健康は大事です。
Ikuta
大丈夫ですかこんなんで?
鉛
はい笑。そんなとこですかね。最後に何かみなさんにメッセージとかあれば。
Ikuta
別にないな、何もないですね何にもない。
鉛
なんもない笑?
Ikuta
じゃあなんだろう、Abiuroというスラッジのバンドをやってます。東京都内を中心に活動しています。で、ライブがありがたいことに結構決まっていて。スラッジをいろんな人たちに押し売りしていく感じです笑。
